痛風は、可能性の範囲で言えばどの年代にでも発症する可能性のある障害です。
しかし、発症の傾向から、発症しやすい年代や発症しやすい傾向があります。
まず、性別では「圧倒的に男性に多く発症する傾向」が見られます。
男性の発症割合は、実に90%以上を占める事からも、痛風は男性に多く発症する障害である事は間違いありません。
尚、女性に発症するケースでは、更年期を過ぎた女性に発生するケースが大半であるのも痛風の特徴といえます。
次に年代別では、30代~40代が圧倒的に発生件数が多くなる傾向にあります。
このような傾向からも、30代~40代の男性は痛風の危険性が非常に高い傾向にある事が伺えます。
また同様に痛風の最大の合併症とも言える「腎臓疾患」を併発するケースも大半は男性であり「高尿酸血漿」や「尿路結石」などの腎臓疾患も痛風患者の場合は比較的若い年代から発症する傾向にあります。
※痛風は合併症として高尿酸血漿・尿路結石などの腎臓疾患を併発する可能性が高い
早い段階で腎機能にダメージを受けると数年以内に人工透析に至る可能性がある点も忘れてはいけません。
腎臓は既に失われた機能はどのような治療をしても回復することはありません。
痛風治療のポイントは何よりも「腎機能に関わる合併症」を併発させない点が最大のポイントであり、少しでも疑いがある場合は早い段階で尿酸の血中濃度を測定し治療が必要かどうか把握しておくことが重要となります。
痛風の発症原因については、医学的にひとつの原因説が解明されているわけではありません。
しかし、食事などの栄養素などが関与している可能性は、現在までのデータから推測できるものとして確立しつつあります。
中でも、「痛風=プリン体」と呼ばれるほど、プリン体の影響は大きいものと考えられております。
このプリン体とは、「細胞の核」を構成する成分のことで、人間が食する大半の食品に含まれております。
その為、細胞数の多い食品ほどプリン体の含有量が多いと言えます。
痛風の治療を行う際に必ず食事療法が紹介されているのは、この食品に含まれるプリン体=細胞数が痛風の治療に大きく関与してくる為なのです。
尚、このプリン体は「肝臓」で分解されまずが、この分解作業を行う際に、老廃物として「尿酸」という成分を発生します。
この尿酸はどんな人の体でも血液中に一定量の尿酸が存在しまずが、通常は体内に必要な分を超える余分な部分に関しては便や尿と一緒に体外へ排泄されます。
しかし、血中内の尿酸濃度が一定の濃度を上回ると、血中に溶け切れなかった分の尿酸は「結晶化」して体内に沈着するのです。
※尿酸の血中濃度が一定水準値を超えると血中内の尿酸は結晶化し沈着する
この体内に沈着した結晶化された尿酸が多くなると、痛風の症状や、尿結石などの症状を発症するようになります。
尿酸値の向上は自覚症状ではなかなかわからない為、血液検査がはじめて痛風、もしくは痛風予備軍と診断されるケースも多くあります。
このような尿酸の血液濃度に基づく「結晶化のメカニズム」が痛風とプリン体の関係であり、痛風発症の原因のひとつとして考えられております。